株アカデミー下山敬三のロスカットしない株投資法の落とし穴
株アカデミー下山敬三のロスカットしない株投資法の落とし穴
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こちらの記事ではストックトレード株式会社、下山敬三氏が販売する、
以下の株式投資における高額商材「株アカデミー」の真実を暴いていきます。
株アカデミー
販売URL:http://naminori99.com/surfing_stock_school/
販売業者:ストックトレード株式会社
提供者名:下山敬三
株アカデミー下山敬三のロスカットしない株投資法の落とし穴。
こちらの「株アカデミー」ですが、率直に言ってお勧めは出来ません。以下、その主な理由です。
・両建てとナンピンで含み損を先送りにするだけのノウハウ ・ロスカット不要は「詭弁」でしかない ・勝ち負けはほぼ「運」の範疇でしかなく長期的にはまず勝ち続けられない ・多額の含み損を抱えた建玉(ポジション)で身動きが取れなくなる可能性大 |
この「株アカデミー」における下山敬三の投資手法は、
・1つの銘柄のみを売買する
・ロスカットをしない
・チャートも見ない
・一日数分、一回の売買のみ
このような謳い文句となっているものの、その内情としては、
ロスカットをしないかわりに「両建て」と「ナンピン」を繰り返し、
損失の確定をひたすら「先送り」にしていくトレード手法となっています。
そのようなトレード手法が大前提となっているからこそ、
実際のトレードの対象とする1つの銘柄を選ぶ段階においては、
・信用取引による空売りができる ・長期間、一定範囲の上下を繰り返している |
そのような銘柄を対象に、まさにその「上げ下げ」を狙って、
・買いの建玉(ポジション)
・売りの建玉(ポジション)
この両方のポジションを同じ注文数量で建てていった上で、
一定の含み益が生じた建玉はこまめに決済しながら、
含み損が膨らんだ建玉に対しては、更に建玉を追加していきます。
要するに含み益と含み損の損益の「相殺(相殺決済)」を狙って
買い増し、売り増しといった「ナンピン注文」を出していくわけです。
よって、この「株アカデミー」における下山敬三の投資手法は、
・ファンダメンタルズ分析
・テクニカル分析
といった、相場や値動きの分析や予測などは一切度外視した上で、
・ナンピン ・両建て |
小さな利益を積み上げながら「含み損」をやり過ごしつつ、
相場が上手い具体に上下していく事を狙う(祈る)ような手法ということです。
相場の分析を度外視した「両建て」と「ナンピン」頼りの投資?手法。
確かにこのような「ナンピン」と「両建て」で含み損をやりすごし、徹底してロスカット(損切り)をしないようなトレード手法は、
表面的には「利益」を積み上げられているように感じられるかもしれません。
ですが、実際には常に「含み損」を抱えていく状況となるため、
最終的に、その「含み損」を上手く「処理」する事ができなければ、
それこそ「コツコツと積み上げた利益」は全て水の泡になっていまいます。
というより、その「利益」は表面的な利益をただ確定させているだけで、
その時点で、それ以上の「含み損」を抱え続けている状況にある場合、
それはまだ「利益」とは言えませんし「勝てた」とも言えない状況です。
それこそ、これは悪質なトレードツールやFX系の情報商材の販売者もよく使う手で、
含み損を抱えたポジションを大量保有しながら、利益が出たポジションだけを決済し、
「これくらい勝ってます(稼いでます)」
「勝率はほぼ100%です」
と豪語しているようなものがよくあるのですが、
この「株アカデミー」がやっている事はこれと何ら変わりません。
トレードにおける含み損は言わば「その時点の実質的な損失」であり、
むしろ、その含み損は今後、更に大きくなっていく可能性さえあるため、
含み損を抱えている限り、そこから「大負けする可能性」が常にあります。
確かに、相場の変動次第では「無くなる可能性もある」のが含み損ですが、
抱えている含み損が解消されて無くなる保証など、どこにもありません。
つまり、含み損を度外視して「確定させた利益」だけに視点を向けて、
勝った、稼いだ、と言っているような情報商材の販売者は、
含み損を確実に解消できる前提でそのような事を言っているわけです。
ですが、相場の世界に「確実」や「絶対」はありません。
要するに、含み損を抱えた状況で勝った、稼いだと言っている情報販売者は、
極めて「楽観的」に都合の良い事だけを言っていることになります。
この「株アカデミー」の投資手法は、まさにその「典型」という事です。
「両建て」と「ナンピン」に頼るだけでは勝てない理由。
このような「両建て」と「ナンピン」を繰り返していく投資手法は、相場が上手い具合に「上げ」と「下げ」を繰り返してくれれば、
・上がった時点で「買い」の建玉を利食いする
・下がった時点で「売り」の建玉を解消する
これをひたすら繰り返す事ができるため、一時的には勝てる場合もあります。
故にこの「株アカデミー」は、最初のステップで「銘柄選び」を行う際、
一定範囲の上げ下げを繰り返している銘柄を選ぶ事が前提になっているものの、
業績や株価を大きく下がる事が絶対にない企業などは存在しませんし、
業績や株価を大きく上げる事が絶対にない企業なども存在しません。
企業として「事業」を行っている以上、何らかの失敗で業績と株価を落とす事もあれば、
その逆に何らかのきっかけで大きく業績と株価を大きく引き上げる事もありえます。
むしろ「業績も株価も常に横ばい」で一定範囲の上下を繰り返す企業の方が珍しいわけです。
よって、株価が大きく下がるような状況や大きく上がるような状況もなく、
それこそ、一定の範囲で上げ下げを繰り返しいてるような相場が続けば、
そのような相場を対象に、一時的には「勝てる」という事もあると思います。
ですが、そのような状況が長期的に継続するような企業は稀ですから、
どこかのタイミングで、必ず相場(株価)が大きく変動する状況に直面します。
このような「両建て」と「ナンピン」に頼るだけの投資手法では、
そのような相場に対応する事ができず、そこで大きく負けてしまう事になります。
まさに典型的な「コツコツ勝ってドカンと負ける」をやらかしてしまうわけです。
ですから、この「株アカデミー」の投資手法で実際に「稼いでいる」という人がいても、
それは確実に短期的なものであり、たまたま相場がその手法にハマっているに過ぎません。
それこそ運よく、この手法がハマり続ける銘柄を対象に出来れば勝ち続けられますが、
結局のところ、それはクジ運に近いもので、やっている事は「ギャンブル」です。
まさに、相場が一定範囲で上げ下げを繰り返す事を「祈る」しかない手法であり、
これは投資戦略でも何でもなく「運任せのエセ投資でしかない」という事です。
***
ちなみに、この「株アカデミー」では、講師である下山敬三さんによる
「トレード実況中継」
という名目の動画が、先立つプロモーション時点で送られてくるのですが、
この動画の内容が、思わず目を疑うくらい「ひどい内容」になっていました。
↓↓↓
https://kabu-ac.com/f2l/chapter_5829/
動画の開始時点でまさに「両建て」と「ナンピン」を繰り返して、
以下のような建玉(ポジション)を持っている状況から動画が始まったのですが。
↓↓↓
3,990円(1000株買い) 3,900円(1000株買い) 3,660円(1000株売り) 3,563円(1000株買い) 3,507円(1000株売り) |
ここでその日の終値「3,396円」で『3,563円(1000株買い)』を利食い。
↓↓↓
3,990円(1000株買い) 3,900円(1000株買い) 3,660円(1000株売り) 3,563円(1000株買い)⇒ 3,396円で利食い(+133,000円) 3,507円(1000株売り) |
ここでインタビュアーの男性が、
『ここで13万3,000円の利益!凄い!』
とコメントするのですが、この時の「含み損」の状況は・・・
↓↓↓
3,990円(1000株買い)※-29万4,000円(含み損) 3,900円(1000株買い)※-20万4,000円(含み損) 3,660円(1000株売り)※-30,000円(含み損) 3,563円(1000株買い)⇒ 3,696円で利食い(+130,000円) 3,507円(1000株売り)※-18,9000円(含み損) |
こちらの通りで含み損の合計が「-723,000円」となっているため、
133,000円の確定利益を差し引いても60万円近い含み損が出ています。
そして、ここからも利益が出た建玉(ポジション)の解消や、
そこから更にナンピン、両建ての注文を繰り返していくのですが、
動画の終わりまで、これらの「含み損」が消える事はありませんでした。
ただ、その間に確定させた「利益」だけを取り上げて、
「今月はもうこんなに稼ぎました。」
と、含み損を完全に度外視して「こんなに稼いだ」と豪語・・・。
ただ、このような動画を見て「凄い!」と思ってしまう人がいるようなので、
そのような人は、もう少し投資(というより算数?)を勉強するべきかと思います。
以上、下山敬三さんの「株アカデミー」についての批評でした。
この手のトレードツールや情報商材の「見極め」については、
以下のような記事がありますので、是非、併せて参考にしてください。
・FX、投資・トレード系情報商材の実体、実情について。
・情報商材を販売するトレーダーのトレード実績が本物かどうかを判断する方法。
・FX、投資系情報商材のノウハウ、ツールが優良か駄作かの判断基準。
・トレードツール、自動売買でバックテスト通りには勝てない理由。