Master Piece FX(クロスリテイリング、TAMURA)の落とし穴

こちらの記事では「TAMURA」という人物が開発を手掛け、
この業界では有名な「クロスリテイリング株式会社」が販売する、
以下の完全自動トレードツール(EA)についての「真実」を暴いていきます。

Master Piece FX(マスターピースFX)



販売URL:https://tamura-master.s3.amazonaws.com/system/top/it.html
販売業者:クロスリテイリング株式会社
提供者名:TAMURA(TK Trading、タムラヒロシ)

Master Piece FX(マスターピースFX)の落とし穴?

こちらの「Master Piece FX(マスターピースFX)」ですが、
単刀直入に言うと、決してお勧めは出来ません。

以下、その主な理由です。

・販売ページのパフォーマンスが実際の相場では再現されていない
・販売ページのドローダウン(リスク)の数字などに虚偽の可能性
・勝率は悪くないがリターン率に難がある
・販売業者、開発者のノウハウ、ツールの量産体制


この「Master Piece FX(マスターピースFX)」は、
2020年の1月に「限定販売」という形で販売された後、
ほんの数日(3日くらい)の販売停止期間を経て、
すぐに追加の限定販売が開始されていました。

そして今は普通にいつでも買える状況になっているため、

「先立つ限定販売は何だったのか」

という感じですが、早い段階でこのEA(Master Piece FX)を入手した人は、
2月の序順から実際に自動売買を行い、その検証結果などを公開しています。

その上で、この「Master Piece FX(マスターピースFX)」は、

「完全自動(完全な自動売買)」

を前提としているEAとなっていますので、
基本的に、利用者は全て同じようなトレード結果になっていきます。

現に、このEAの検証結果を公開しているブログなどを幾つか見ましたが、
運用資金の違いなどから生じる損益には違いがあるものの、

・勝率
・獲得pip


などは、ほぼ同じような結果になっていました。

結論から言えば、

「勝率は悪くないもののリターンに対するリスクが大き過ぎる」

という結果で、勝率は確かに9割に近いものの、
勝てたトレードのリターンが1~20pipsほどである事に対して、
負けたトレードで100~200pipsほどの損失を出しているようです。

これは数名の検証ブロガーに共通していましたので、
4月の惨敗で大きく収支がマイナスになり、
5月、6月でも、まだその負けを取り戻せていないとか。

それこそリスクとリターンの比率が「10:1」を下回ってますから、
これでは90%以上の勝率をどんなに維持しても運用資金は増えていきません。

要するに、この「Master Piece FX」は、

「コツコツ勝ってドカンと負けるトレード」

を絵に描くように実現しているようなEAになってしまっているという事です。

公開3カ月でいきなりの「マイナス収支」へ。

この「Master Piece FX(マスターピースFX)」の販売ページでは、

・勝率97.18%
・341連勝(平均60連勝)
・最大ドローダウン3.46%
・15年間負け知らず


このような数字が打ち出されているものの、
これらの数字は全て「バックテストの結果」でしかありません。

要するに、EAを開発する際における、

「過去の相場を対象とするパフォーマンス」

でしかなく、これは実際のところ、いかのようにも、
言わば「強引なルール付け」などで帳尻を合わせられるものです。

この手のEAがバックテストの結果通りに勝てる可能性は極めて低く、
まず、販売ページにあるような「過去のパフォーマンス」は再現されません。

その理由、要因などについては以下の記事で言及していますので、
こちらの記事も併せて、参考にして頂ければと思います。

>FXのトレードツール、自動売買でバックテスト通りに勝てない理由

だからこそ、この手のEA(自動売買ツール)にあたるものは、
開発時点の過去の相場を対象とするパフォーマンスを、
まず、大前提として、そこまでアテにするべきではばく、

「完成後(販売提供後)の実際の相場を対象とするパフォーマンス」

の方を、その有効性を見極める判断材料にしていく必要があります。

そして、その「実際の相場を対象とするパフォーマンス」が、
公開後、わずか3カ月でマイナスになってしまったというわけです。

ただ、バックテストでは15年間、一度もマイナスになっていないEAが、
実際の相場を対象とする形では3カ月でマイナスになるというのは、
よほど運が悪いか、そもそもの数字が「虚偽」という可能性も捨てきれません

そこで私的に気になったのは、販売ページに公開されていた、
このEAの販促動画に出てくる以下の「運用資金の推移チャート」で、

『運用資金が大きく落ち込んでいる(減っている)部分』

です。



この運用資金の推移表を見て分かる通り、
一応、減った分の資金は常に戻る形にはなっていますが、
一時的な含み損が「50%近く出ている事」は明らかであり、
これで、最大ドローダウンが3.46%というのはまずありえません。

また、販売ページで公開されている幾つかのトレード実績は全て、

10ロット(100万通貨)換算 = 1pipsあたり1万円のリターン

で示されていますが、実際に「Master Piece FX」を利用する際の、
開発者、TAMURA氏の推奨ロット数(売買数量)は、
・10万円運用 :0.01ロット(1000通貨)
・100万円運用:0.1ロット(10000通貨)
このようになっていますので、この推奨値から逆算すると、
販売ページのトレード実績にあたるものは全て

「1憶円の運用資金によって実現しているパフォーマンス」

という事になります。

要するに販売ページに数多く掲載されているような実績は、
1憶円の運用資金を用意してようやく実現できるという事です。

ただ、この「推奨ロット数」こそが、まさに、
このEAのリスクを物語っているのが実情で、

・勝率97.18%
・最大ドローダウン3.46%


ここまでの数字を実現できているEAにおいて、
上記のような推奨運用ロット数はあまりに不合理です。

そもそも、15年間で3.46%以上の含み損すら抱えていないなら、
4%ほどの含み損が生じた段階でロスカットするロジックを組み、
運用ロット数を大幅に引き上げて稼働させるのが合理的だと思います。

実際に運用資金に対して3.46%以上の含み損すら抱えていない以上、
そのロジックによるロスカット(損切り)はほぼ無いわけですから、
あとはロット数を引き上げた分だけ、リターンを大きくできるわけです。

にも関わらず、実際に推奨されているロット数(売買数量)は、

・10万円運用 :0.01ロット(1000通貨)
・100万円運用:0.1ロット(10000通貨)


このような「現物運用に近いロット数」となっていますので、
これは、かなりのリスク(ドローダウン)を警戒した数量設定です。

それこそ、先ほどの「運用資金の推移チャート」にあるような、
運用資金の50%に及ぶようなドローダウンがある状況なら、
これくらいのロット数で無ければ、即、資金がショートします。

つまり、そこまでの大幅なドローダウンが前提にあり、
それを見越しているからこその推奨ロット数であり、
この事からも販売ページに大々的に掲げている、

「最大ドローダウン3.46%は虚偽の可能性が高い」

という事です。

販売業者、開発者によるノウハウ、ツールの「量産体制」にも要注意。

また、この「Master Piece FX」の販売を手掛けている、

「クロスリテイリング株式会社」

は、毎月のように新たな投資関係の教材やEAを販売し、
ひたすらこの手の情報商材を量産している業者でもあり、
その販売商材の「全て」が、あまり良い結果を残せていません。

そして、この業者が手掛ける投資商材には、
そのほぼ全てにおいて、以下のような共通点があります。

・バックテスト(販売前の相場)のトレード実績のみを大々的にアピール
・販売後の相場に対する実績、パフォーマンスのアピールは消極的
・売買のロジックを完全には明かさない


まさに、今回の「Master Piece FX」もそうですが、
過去の相場を対象とするパフォーマンス(実績)は上々でも、
実際の相場を対象とする再現性は著しく低い傾向にあります。

それこそ「情報」として売るためのだけのトレードロジックを、
ひたすら「過去の相場」を対象にする形で強引に作り出し、
それをそのままパッケージ化して販売しているのかもしれません。

だからこそ、決してそのロジックを明確に出来ないわけです。

また、今回の「Master Piece FX」の開発を手掛けたとされる、

「TAMURA」

という人物も、過去にクロスリテイリング社を介して、
別の投資関係の高額な情報商材などを販売していた経緯があり、
以前は「タムラヒロシ」と名乗っていました。

本来、この手の情報商材を2つ、3つと手掛けて世に出すなら、
自らの名前と実績を「ブランド化」していく事を考えるはずですが、

・TAMURA
・タムラヒロシ


と、あえて通称(名前)を変えて登場しているのは、
自身の「悪評」を避けたい意図があるのかもしれません。

実際、以前の「タムラヒロシ」名義の情報商材は、
決して評判が良いとは言えない状態です。

このような販売業者側の背景も含めて、

・販売ページのパフォーマンスが実際の相場では再現されていない
・販売ページのドローダウン(リスク)の数字などに虚偽の可能性
・勝率は悪くないがリターン率に難がある
・販売業者、開発者のノウハウ、ツールの量産体制


この4つの理由から、

「Master Piece FXは推奨できない」

という結論です。

まあ、クロスリテイリング社が手掛ける投資商材という時点で、
私としては「またか」という感じで検証する気も起きないのですが、
今回も、やはり「またか」という結果がネット上に出始めてます。

過去の相場を対象にどんなに素晴らしいパフォーマンスを実現していても、
それは「後付けの帳尻合わせ」で、そういうロジックは幾らでも作れますから、
焦って手を出さずにまずは「様子見」の姿勢を取るようにしてください。

今のご時世、じっくり待っていれば、具体的な検証報告などが
インターネット上に幾らでも出てきますから、
実際に購入して実用するのは、その後でも遅くありません。

とくにクロスリテイリング社が手掛ける情報商材は。

「○月○日までの限定販売」
「○名限定」


とあっても、今回の「Master Piece FX」のように、
まず間違いなく後々になっても普通に購入できますので。

***

ハッキリ言って、投資、トレードで本気で成功したいのであれば、
下手な「方法論」や「ノウハウ」にばかり目を向けるのではなく、

『まずは然るべき「原則」や「鉄則」をしっかりと学ぶべき』

というのが私の考えです。

少なくとも、私のブログ講座やメルマガ講座などでは、
とくにそのようなものに重きを置いた情報を提供していますので、
是非、順を追ってその1つ1つを参考にしてください。

>投資・トレード講座の一覧はこちらから

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