移動平均線とグランヒルの法則。勝率、勝てない理由の考察など。

株価や為替(FX)、仮想通貨など、
相場の値動きを予測していくための「テクニカル分析」で、
多くのトレーダーが用いているであろうテクニカル指標の筆頭は、

「移動平均線(Moving Average)」

ではないかと思います。



今回は、この「移動平均線(Moving Abelage)」についてと、
移動平均線を用いた有名どころな「相場の法則」にあたる、

「グランヒルの法則」

について、その有効性などを考察していきたいと思います。

移動平均線の活用方法とグランヒルの法則。

まず「移動平均線」は過去一定期間の相場の終値から平均値を算出し、
その「一定期間ごとの終値の平均値」を時系列のチャート上に、
以下のような形で線状に表示していくテクニカル指標です。



よって、その平均値は、対象とする「期間」によって異なるため、
当然、チャート上に表示される「移動平均線の形状」の方も、
その対象となる「期間」に応じて以下のように異なるものになります。



また、このような「移動平均線の形状」は、
どの時間足でチャートを見るかによっても変わってきます。

その上で、実際にどの期間を対象とする移動平均線を用いるか、
そして、どのような時間足でその移動平均線を見るかは
投資家、トレーダーによって全く異なる傾向にあり、

・短期間の移動平均線から相場の短期的な動向を見る
・長期的の移動平均線で、相場の長期的な動向を見る
・短期間、長期間、両方の移動平均線を同時に見る


といったように、その「使い方」も人それぞれなのが実状です。

***

更に言えば「短期間の移動平均線」と一言で言っても、
5日、7日といった期間を「短期間」と言う人もいれば、
1日単位や数時間、数分単位の移動平均線を用いる人もいます。

また「長期間の移動平均線」という範囲においても、
25日間の移動平均線が良いという人もいれば、
75日、120日、200日などを「長期」と捉える人もいます。

要するに同じ「移動平均線」を指標にしているとしても、
その対象となる「期間の設定値」が根本的に異なれば、
 
「ほぼ全く別の指標を見ているに等しい」

という事です。

***

その上で、この「移動平均線」の主だった用い方としては
以下のような指標とする使い方がオーソドックスかと思います。


 ・移動平均線が「上向き」か「下向き」かでトレンドの方向を判断する
  ⇒ 移動平均線の向きをトレンドの方向と判断する

 ・移動平均線の「傾斜(角度)」が大きいか小さいかトレンドの強さ判断する
  ⇒ 傾斜が大きいほどトレンドが強いと判断する

 ・移動平均線と相場の「乖離(距離)」で相場の動向を判断する
  ⇒ 相場は移動平均線から離れるほど抵抗力は強くなり、
    移動平均線に近づく動きを伴う傾向にあるため、
    移動平均線との乖離が大きく広がった時を注視する


 ・移動平均線の向きに対する相場の「位置」で相場の動向を判断する
  ⇒ 移動平均線が上向きであれば相場はその上にあり、
    移動平均線が下向きであれば相場はその下にある傾向から、
    その傾向が崩れている時、崩れた時を注視する


そして、この「オーソドックスな移動平均線の使い方」を前提として、
わりと有名どころな「移動平均線の法則」として挙げられるのが、

『グランヒルの法則』

と呼ばれる、相場の動向を予測する「サイン」にあたるもので、
以下の4つのサインが買い目線、売り目線の双方で提唱されています。
※以下はいずれも「買い目線のサイン」にあたるものです。


グランヒルの法則①/順張り・上昇サイン
(サインが出る前の相場状況)
移動平均線が「下向き」で推移している中、
相場(現在のレート)が移動平均線の下にある



移動平均線が横ばい、または上向きになり、
相場が移動平均線を下から上に抜けた時

これは「移動平均線の向き」から見てとれる『トレンド』が、
下向きから横ばい、または上向きに変わったタイミングで、
その時の相場が移動平均線の上に突き抜ける動きを見せた時、

・移動平均線から見て取れる相場(トレンド)転換
・移動平均線の上に相場(現在のレート)が来る傾向


この2つの条件が重なる形となる事から、
そこが相場の大きな転換ポイントになるというサインです。

いわゆる「下降トレンドの転換点」を見極めるサインにあたります。


グランヒルの法則②/逆張り・上昇サイン
(サインが出る前の相場状況)
移動平均線が「下向き」で推移している中、
相場(現在のレート)が移動平均線の下にある



相場が移動平均線から大きく離れ、
その後、反転を見せ始めた時


移動平均線との乖離(距離)が大きくなるほど、
相場(レート)は移動平均線に近づこうとする傾向を前提として、

「移動平均線と乖離し過ぎた相場(レート)が反転を見せ始めた時」

を「相場(トレンド)の転換点」と判断するサインです。

こちらも「下降トレンドの転換点」を見極めるサインにあたります。


グランヒルの法則③/逆張り(押し目買い)・上昇サイン-1
(サインが出る前の相場状況)
移動平均線が「上向き」で推移している中、
相場(現在のレート)が移動平均線の上にある



上向きのままの移動平均線に、
相場が接近して反転を見せた時

移動平均線の向きから見て取れるトレンド(方向)が、
そのまま「上向き」を継続している状況において、

「相場が移動平均線に接近していった上で反転を見せた場合」

に、そこを「押し目」と判断するサインです。

移動平均線の方向が上向きのままであれば、
そのまま上昇トレンドが継続するものと判断し、
移動平均線に近づいていった相場(レート)を

『一時的な下げ相場(押し目)と判断するサイン』

になります。


グランヒルの法則④/逆張り(押し目買い)・上昇サイン-2
(サインが出る前の相場状況)
移動平均線が「上向き」で推移している中、
相場(現在のレート)が移動平均線の上にある



移動平均線を相場が上から下に抜けた時

移動平均線の向きから見て取れるトレンド(方向)が、
そのまま「上向き」を継続している状況において、
相場が移動平均線を下に突き抜けた場合、

・移動平均線から見て取れる相場(トレンド)の方向
・移動平均線の上に相場が来る傾向


この2つの傾向から、そこを「押し目」と判断するサインです。

要するに移動平均線の方向が上向きのままであれば、
相場は再度、移動平均線の上に戻るだろうと予測するサインで、

『その一時的な下げ相場を「ダマし」と判断するサイン』

でもあります。

***

これらがグランヒルの法則を「買い目線」で見る場合の、
4つの「上昇サイン」になりますが、これらのサインはいずれも、

『売り目線による下降サイン』

にも、そのまま全て置き換えて用いる事が出来ます。

つまり、これらのサインはいずれも「買い目線」で、
相場の「上昇」を判断する際にのみ用いるのではなく、
相場の下降を判断する際にも用いる事が出来るということです。


グランヒルの法則の有効性。

この「グランヒルの法則」と呼ばれるサインは、

「J・E・グランビル」

というアメリカの投資家が提唱したもので、
彼は200日の移動平均線を用いていたそうですが

「短期間の移動平均線でも有効な法則」

とされています。

また「J・E・グランビル」が対象としていた相場は、
基本的に「米国株の相場」となっていますが、
この法則は「株価の変動を予測する法則」というよりは、

『相場を捉える人間心理の傾向を反映させた法則』

となっているため、強いて相場(市場)が限定されるものでもありません。

まさしく「テクニカル分析(値動きの分析)」から派生した、
人間心理の傾向、偏りを捉える法則に他ならないという事です。



ただ、このような相場の「法則」にあたるものは、
このグランヒルの法則以外にも多くの有名なものがあり、
誰もが今はインターネットなどで「知る」ことができます。

その上で、このような法則を「知る」ことができた人が、
実際の相場で勝てているのか(稼げているのか)と言うと、、、

やはり相場の世界は大多数の人が負けている以上、

「このような法則を知った上でも大半の人が負けている」

というのが実状です。



という事は、このグランヒルの法則も「使えない法則」で、
実は、さほど有効ではないという事なのかというと、

知っている多くの人が勝てていない = その法則は有効ではない

という図式は、私は必ずしも成り立たないと思っています。

もちろん、このような法則を知った上で、
実際に多くの人が相場で勝てていないという現実がある以上、

「その法則をそのまま実践しても勝つ事はできない」

という事実は揺るぎません。

ですが、実際の相場(トレード)においては、

「その法則を用いた上での引き際の判断」

によって、その勝ち負け(=損益)が大きく変わる側面があるんです。


「相場の法則」で多くの人が勝てない理由。

まず大前提として、どんな「相場の法則」も、
それは決して「必勝法」にあたるものではありません。

あくまでも統計的確率と傾向から提唱されているものであるため、

・法則を無視した値動き
・それとは根本的に異なる値動き


などは、当然ですが、普通に「ありえる」わけです。

よって、そのような時に、

「(相場が)法則に沿わない動きを見せている事」

を、どの時点で判断して相場から手を引くのか。

要するに、その時の「損切り判断」の速さ、タイミングで、
その時に生じる「損失」の大きさが変わってきます。



相場では、その法則の勝率が8割、9割以上だったとしても、
残り1割、2割の相場で大きな負け(損失)を出してしまっては、
最終的な勝ち負け(損益)は『負け』という事になってしまうんです。

また、これは「法則通りに相場が動いていった時」も同じであり、
相場の世界では、その際も「どこで手を引くか」で、

「どれくらいの勝ち(利益)を拾えるか」

も大きく変わってくるわけです。



それこそ、その「法則」にあたるものが、

・例外的な動きを示した場合の引き際(損切りのタイミング)
・法則通りの動きを示した場合の引き際(利確のタイミング)


などを明確な形で定めているものであるというなら、
そこを含めた「有効性の有無」もそのまま明確に出来ると思います。

ですが、大半の「相場の法則」にあたるものは、
今回、取り上げた「グランヒルの法則」も含めて、
まず、そこまでの基準(ルール)までは定められていません。

そして、大半の法則は、

「エントリーポイント(どこで買うか、売るか)」

の「目安」を定める範囲のものでしかないため、
その引き際次第で、有効性の判断も180度変わってくるわけです。

故に、今回のグランヒルの法則を含めた相場の法則は、

・例外的な動きを示した場合の引き際(損切りのタイミング)
・法則通りの動きを示した場合の引き際(利確のタイミング)


これらの引き際によって勝ち負けそのものが変わってしまうものであり、
大半のトレーダーは、その「引き際」を見誤る傾向にあります。

そもそも、多くの投資家、トレーダーが相場で勝てない要因は、
先立つエントリーポイント(どこで、買う、売る)の正否よりも、

『その後の引き際の正否が大きく勝ち負けを左右している』

のが実情だからです。

結局のところ、エントリー後に相場が上がるか下がるかで、
それがそのまま勝ち負け(損益)に直結する世界である以上、
どんなに適当なエントリールールでポジションを建てていこうと、

「単純な確率論」

のみで言えば、そこからの勝ち負けは50%の確率になるはずです。

にも関わらず、大半のトレーダーが負けている事実がある以上、
これはエントリー後における「引き際の判断」によって、
その後の勝ち負け(損益)に差が出ていると言わざるを得ません。



つまり、大多数の投資家、トレーダーは、

「エントリー後の引き際において過った判断をする」

という事が統計上も「明らか」なわけですから、
ここで言及させて頂いた「グランヒルの法則」のように

「エントリーの判断(のみ)に用いる相場の法則」

で大多数の人が負けてしまうのは「当然」という結論に至ります。

故に「その法則で多くの人が勝てていない」という事と、
その法則の有効性の有無は「実質的に別問題」という事です。


移動平均線、グランヒルの法則などを有効に使う方法。

少なくとも「移動平均線」や「グランヒルの法則」などは、
長年、多くの投資家、トレーダーがそれらを語り継いでいる以上、
そこには、それなりの「有効性」がある程度は存在します。

ただ、それは「それに従えば勝てる」というものではなく、

「統計的な確率論、傾向として一定の有効性が見られる」

という範囲のものとして捉えるべきであり、
あくまでも「目安の1つ」として見るべきものに他なりません。

ただ、そういった「目安」になるものを
1つ、2つと積み上げていく事で、

「より高い確率で勝ち筋を導き出せる基準やルール」

を、追求し、確立していく事ができる余地は十分にあるはずです。



そのための「材料」の1つとしては、

・移動平均線
・グランヒルの法則


これらはやはり十分に「使えるもの」であり、
十分に有効な材料(目安)の1つになるものだと思います。

この手の指標や法則は、そういう見方で捉えるべきであり、
そういう前提で用いていく必要があるという事です。


移動平均線とグランヒルの法則。まとめ

以上の通り、ここでは移動平均線についてと、
グランヒルの法則についてを取り上げると共に、
それらの「有効性」について、考察させて頂きました。

結論として、このような「テクニカル指標」や「法則」は、
表面的な形でそれらに漠然と頼っていくだけでは、
まず、勝つ事、勝ち続ける事は出来ないと思います。



それは、これらの法則を踏まえた多くのトレーダーが
実際に「負けている事」からも明らかなわけですが、

その指標や法則で勝てない = その指標や法則が有効ではない

という図式が必ずしも成り立つものではなく、
多くの指標や法則はあくまでも「傾向」を前提とした上で、
先立つエントリーポイントを定める目安になるものでしかありません。

よって、実際に相場(トレード)で勝ち続けていくには、
エントリー後の「引き際」の基準やルールを確立する必要があり、

エントリー ⇒ クローズ

までが「トレード」である事をしっかりと意識した上で、
有効なトレードルールを確立していく必要があるという事です。


 少なくとも、私自身が実践しているトレードルールや、
 このブログで私が推奨しているトレードノウハウ等は全て、

 エントリー ⇒ クローズ

 までの一連の流れにおいて、エントリーポイントを定めるルール以上に、
 その後の「利益確定」や「損切り」のルールをより追及しています。

 私が現状、トレードで生計を立てる事が出来ている要因は、

 「何よりもそこを徹底しているからに他ならない」

 という事です。

ただ、投資、トレードで本気で成功したいのであれば、
下手な「方法論」や「ノウハウ」にばかり目を向けるのではなく、

「まずは然るべき「原則」や「鉄則」をしっかりと学ぶべき」

だと思います。

少なくとも、私のブログ講座やメルマガ講座などでは、
とくにそのようなものに重きを置いた情報を提供していますので、
是非、順を追ってその1つ1つを参考にしてください。

>投資・トレード講座の一覧はこちらから

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