FXの基礎知識。為替レートが動く理由。相場は何故、変動するのか。

『為替レートは何故、動くのか。』

為替相場を対象としたFXトレードをやっている人のどれくらいが、
この「何故」に対して明快な答えを示せるでしょうか。

また、どれくらいのトレーダーが、その理屈を
しっかりと正しく「理解」しているでしょうか。

それこそ、このような「理論」は、
本や文献に書いてある事をそのまま言い並べる事と、
その理屈をきちんと理解している事は全く異なります。

他人の言葉や情報を借りてそれを説明するというのではなく、
しっかりと自分の頭でその論理を理解できているのかどうか。


これがとくに重要なわけです。

その上で、少なくとも私は為替の値動きを予測してお金を稼いでいく為に、
その理屈をしっかりと理解しておく事は「必須」だと思っています。

もちろん、これは為替の相場に限る話ではありませんが、
何故、そのレート(相場)が動くのかを理解せずにトレードをするなど、
値動きの予測を立てていく上での「根本」を理解していないのと同じ事です。

その「根本」が分からない状態で相場を予想してトレードを行うなど、
足し算、引き算の「理屈」が分からないような状態で、
難しい数学の問題を解こうとするようなものではないかと思うわけです。

当然、そんな状態で数学の問題など解けるはずもありません。

更に相場(トレード)の世界では「答え」を誤ると、
多大な損失が生まれる可能性もあるわけですから、
そんな状況でトレードを行うなどもっての他だと思います。

ただ、実際にそんなトレーダーが大半を占めているのが、
このトレード業界の現実であり、そうであるからこそ、
大半のトレーダーはFXで勝てていません。



相場の動きを予測し、どう動くのかを「知りたい」のであれば、
まずはその根本的な事を「理解」するべきだと思います。

そういうわけで、今回はその「根本」をテーマに、

『為替レートが動く理由(為替相場は何故、変動するのか)』

を言及してみたいと思います。

為替レートが動く理由。為替相場は何故、変動するのか。

その「直接的な要因」は結局のところ、
個人、組織(国家、金融機関など)による
為替(外貨)の売り買い(交換)に伴う需要と供給が、
そのまま「レートの変動」に結びついていると考えられます。

その上で、その「売り買い(交換)」は何を拠り所に行われているのか、

『それが実質的に為替相場を動かしているものの正体』

という事になりますが、これは学説的に
以下のような2つの「平価説」が提唱されています。

・金利の平価説
・購買力の平価説


前者は各国通貨の「金利の差による利益の追求」を拠り所として、
為替の売り買い(交換)が行われているという『金利』の平価説。

対する後者は各国通貨の「購買力の比率」が、
そのまま為替レートに反映されているされる『購買力』の平価説です。

既にこの時点で「説」とされているものが2つも登場するわけですから、
いかに「為替レートが動く理由」が単純な理屈で成り立っているものでは無いか、
この事を捉えるだけでも重々お分かり頂けるのではないかと思います。

ただ、この2つの説は「相場を動かす要因」として、

「いずれも、その断片にあたるものでしかない」

というのが私の考えです。

金利の平価説、購買力の平価説、共に、
ウィキペリアなどで調べると小難しい事が書かれていますが
ザックリと言うなら金利の平価説は2カ国間の
金利差が為替レートによって調整されていくという説。

購買力平価説は2カ国間の物の価値(物価)を同じと仮定する場合に、
同様にその差が為替レートによって調整されるという説に他なりません。

そして、このような説はどちらも「正しいもの」であり、
そのような思惑で為替の売買(交換)をしている個人、組織が、
少なからず、存在するというのも揺るぎない事実だと思います。



ですが、どちらの学説を「前提」とするにしても
実際の為替レート(為替相場)の値動きにおいては、
それだけで説明のつかない動きが多分に見受けられるのが実情です。

そういった点でトレーダーや投資家、学者によっては、
金利平価説、購買力平価説、共に全面的に否定している人もいますが

「常にその理屈通りにレートが動いているわけではないから」

と言って、これらが完全にレートの動きと「無関係」とは言い切れません。

ただ1つだけ明確に言える事は、結局のところ、
実際に為替レートを動かしているのは「人」であり、
為替を売買(交換)する行動は、その「心理」から生まれています。

そして、その「心理」の中には、

「金利の高い国の通貨を保有したい」
「金利の低い国の通貨を売りに出したい」


といったものもあれば、それに乗じて生じていく、

『需要と供給の変動から生じていく「利ザヤ」を抜き取りたい』

という心理も働く事となり、それらが複合して、
集団心理のバイアス(偏り)が作り出されていくわけです。

そうなると、そこにはそのバイアス(偏り)に乗じて、
そこから生じるレートの変動を狙うような心理も生じてきます。

まさに、そのような集団心理そのものを捉える心理が、
また新たな集団心理のバイアス(偏り)を作り出していくんです。

集団心理が偏る事でレートが動き、レートが動く事で、また集団心理が偏る。

レート(相場)はこのような相互作用を織り込みながら変動しているという事です。


集団心理のバイアス(偏り)の連鎖がレートを動かす。

そんな「集団心理のバイアス」を重視して相場の動きを捉える場合、
多くのトレーダーが、その「バイアス(偏り)」を計る上で用いている

「テクニカル(テクニカル指標)」

と呼ばれるものの分析が有効になると考えられます。



ある意味で言えば「テクニカル」こそが、値動きの「答え」であり、
その「答えの時系列」から先々の値動きを予測していくわけです。

もちろん、ここで挙げた「金利」や「購買力」にあたるものを

「ファンダメンタル(ファンダメンタル指標)」

と呼ばれる範囲の情報などから捉えていく事も出来ますが、
基本的にファンダメンタルは相場の動きに対して、
常に「織り込まれている」と言われています。

この「織り込まれたファンダメンタル」の捉え方は諸説ありますが、
確かに「ファンダメンタル」と呼ばれるものは『情報』がベースであるため、
誰かのもとにどこかから、その『情報』が伝達していく頃には、

・ファンダメンタルの要因となる情報を発信している側
・ファンダメンタルの要因となる情報を発信されている側


この間には、既に大きな「優劣」が生じているんです。

世の中の多くの人(トレーダー)は、そういった情報を、
今はインターネットやテレビなどのニュースで知るわけですが、
そのような情報は既に「発信する側」の人達が先取りして、
その情報を踏まえた売り買いを既に終えていると考えられます。

つまり「ファンダメンタル」にあたる『情報』をアテにして売買を行い、
その恩恵を受けられる人は、いち早く、その『情報』を入手し、
多くの人にそれが知れ渡る前に手を打てるようなトレーダーに限られるわけです。

ただ、そんな特別な情報網を持っているような人は少数派だと思いますし、
少なくとも、私はそんな特別な情報網など持ち合わせていません。

要するに「その他大勢」と同じレベルでしか『情報』を受け取れないようなら、
基本的に「ファンダメンタル」に該当するようなもの(情報)は、

「既にそれが相場(市場)に織り込まれている」

と考えるべきだと思います。

そして、そのような特別な情報網を持たないトレーダーが
値動きを予測する上で「頼り」にできるのは、
過去から現在に至るまでの値動き(=チャート情報)に他なりません。

その値動きそのものを分析する事こそが「テクニカル分析」であり、
そこから集団心理のバイアス(偏り)を捉えていく事が出来れば、
それに乗じる形で為替レートの変動から自在に利益を抜き取れるという事です。


テクニカル分析の有効性とその本質。

ただ、ここで言う「テクニカル分析」における指数や指標は、
実際のところ、過去から現在までの値動きにおける「データ」ですので、
重要なのは、その時系列データから、いかに「心理の偏り」を読み取るかです。

テクニカル分析を行う人はひたすら「データの照合」などを行い、
とにかくデータそのものに目を向けがちな傾向にありますが、
その「データ分析」の本質は、そこから見える「心理の分析」に他なりません。

その本質的な視点を見失っては、見えるものも見えてこないと思います。

テクニカルから読み取れるデータそのものがレートを動かしているのではなく、

『それを捉える「心理」がレートを動かしている』

という事を忘れてはいけません。

そこをしっかりと理解し、意識する事ができているかどうかで、
テクニカル分析の視点そのものが根本的に変わってくるはずです。

本気で「勝ち続けられるトレーダー」を目指していきたいのであれば、
今回の記事で言及した「レートが動く理由」の理屈なども含めて、
きちんと自分の頭でこれを理解した上で値動きの分析を行うべきだと思います。

その根本的な視点こそが値動きを予測する上でも、
その「根底にあるもの」として重要になってくるという事です。

是非、参考にしていただければ幸いです。

小野

>投資・トレード講座の一覧はこちらから

サブコンテンツ

このページの先頭へ